理事⻑挨拶
東京財団は、政策を語るだけの場ではない。
政策を動かし、社会を変える場である。
いま世界は、かつてない変革の時代を迎えています。国際秩序は揺らぎ、技術革新が価値観を塗り替え、国家と市場の関係は再定義を迫られています。日本も例外ではありません。人口減少、財政の逼迫、安全保障環境の変化——これらの課題を、私たちは待つのではなく、解決へと導く責務を負っています。
独立系シンクタンクとして、東京財団は自由な発想と長期的な視野をもって、日本と世界の未来に貢献していきます。データとファクトに基づいた政策提言を行うだけではなく、その実現のために関係者をつなぎ、対話を促し、戦略的に社会を動かす。それが私たちの使命です。
また、知識だけでは社会は動きません。行動力と洞察力を兼ね備えた人材こそが、社会の変革を牽引します。東京財団は、世界44カ国の奨学金制度、日本語教育の支援、日本に関する書籍の国際的寄贈を通じ、未来を創る人材の育成にも力を注いでいます。グローバルな視点と実践的な知識を持つ人々が政策の現場で活躍する環境を整えることも、私たちの重要な使命です。
2025年4月、東京財団は新たな一歩を踏み出しました。原点に立ち返りながらも、これまでの枠を超え、より戦略的で実効性のあるシンクタンクへと進化してまいります。そして、社会を変えるために何が必要かを問い続け、それを実行に移します。ともに未来を創る仲間として、皆さまの変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
公益財団法人東京財団
理事長 中林 美恵子
理事長略歴
大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了、博士(国際公共政策)。米国ワシントン州立大学大学院政治学部修士課程修了、修士(政治学)。1992年米国永住権取得後、連邦議会上院予算委員会に正規採用され約10年間勤務。在米14年を経て2002年に帰国。大学の教職や政府審議員、衆議院議員(2009年~2012年)などを経て、現職。早稲田大学教授を兼ねる。著書に『アメリカの今を知れば、日本と世界が見える: 混迷が告げる時代大転換の予兆』東京書籍(2025)など多数。