第53回東京財団フォーラム「被災地の聞き書き101-個の物語から、社会を考える-」 | 東京財団政策研究所

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2012 11.7 WED

第53回東京財団フォーラム「被災地の聞き書き101-個の物語から、社会を考える-」


11月7日に開催した「被災地の聞き書き101-個の物語から、社会を考える-」。(※)
約150名が参加するなか、岩手県大槌町吉里吉里地区の話し手2名と3名の聞き手にお話を伺いました。モデレーターは、聞き手の指導に当たった作家の塩野米松さんです。

話し手との対話では、お二人の暮らしを通じて吉里吉里という集落の変遷を垣間見るとともに、復興の現状についてもお話いただきました。そのなかで、震災復興に対する私たちの向き合い方について改めて考えさせるエピソードも出ました。他方、聞き手からは、話し手とのつながりが感じられた体験談がいくつか紹介されました。

モデレーターの塩野さんは、その都度話をまとめながら会場に問いかけていました。
「共にという部分がとっても大事だろうと思う。復興は瓦礫の処理から始まるのに、それができないでいる状況は、国が悪いとかの前に、被災というものを共有できていないんじゃないかとさえ思えてくる。とにかく一人でもいいから会って話を聞く。その人の歴史と生活に少しでもふれることができたならば、物事を想像するための一個のきっかけをつかめるだろう」、と。参加者の方々も、共有することの大切さを改めて感じられていたようです。

「被災地の聞き書き101」の物語には、個人の体験の真実、記憶の真実が詰まっています。
その物語にふれることが、塩野さんの言うきっかけにつながるのではないかと思います。フォーラムの映像や議事録をご覧いただくとともに、是非、書籍をお読みください。

※東京財団は、NPO法人 共存の森ネットワークとの共催で「被災地の聞き書き101」(以下、「聞き書き101」)を2011年7月に始めました。大学生を含む47名が、東日本大震災で被災された101名の方々(注)に、それまで営んできた暮らし、その中に溶け込んだ生活文化などを1対1でお聞きし、その話し手の言葉で文章にまとめました。詳細は、書籍でご覧になれます。 (注)岩手県:大槌町吉里吉里地区/陸前高田市田束地区、宮城県:南三陸町志津川地区/石巻市の101名

・議事録はこちらからダウンロード→
・書籍『被災地の聞き書き101』(677頁、税込1,575円)の詳細・購入はamazonへ→


開 催 概 要


【 日  時 】  2012年11月7日(水) 18:30~20:30
【 場  所 】  日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)
【 テ ー マ 】  「被災地の聞き書き101-個の物語から、社会を考える-」
【プログラム】 ・「被災地の聞き書き101」の概要説明
        ・塩野米松氏(注)が「被災地の聞き書き101」の話し手・聞き手に聞
          第1部:岩手県大槌町吉里吉里地区の「話し手」に聞く
          第2部:「聞き手」(社会人、大学生)に聞く
        ・質疑応答

(注)〔プロフィール〕一九四七年、秋田県角館生まれ。東京理科大学卒業。芥川賞四回ノミネート。聞き書きの名手としても異才を放つ作家。失われゆく伝統文化・技術の記録に精力的に取り組んでいる。著書に『手業に学べ』『聞き書き にっぽんの漁師』『木のいのち木のこころ―天・地・人』など多数。

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