東京財団政策研究所 No. 8

公益財団法人東京財団政策研究所のリーフレットです。非営利・独立の民間シンクタンクとして、外交・安全保障、経済・社会保障、環境・社会分野の政策提言・普及活動と、国内外で実施する各種人材育成プログラムを行っています。


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03視台」(CCTV)の映画専門チャンネルでは、毛時代に作成された朝鮮戦争の映画、すなわち、中国人民解放軍が米軍を打ち負かした映画を繰り返し上映している。これも、人民の愛国心を鼓舞するプロパガンダになっている。これと関連して、中国外交部スポークスマンたちは記者会見で、「中国は喧嘩を売らない、でも、喧嘩を売られたら、絶対に屈服しない」というような趣旨の発言を繰り返している。本来ならば、貿易摩擦の背景にあるのは、貿易不均衡と国際ルールに抵触する商業上の取引についての習慣であるはずだ。たとえば、知的財産権の侵害などであれば、それについてアメリカ側と対話して、時間をかけて是正していけばよかった。しかし、このような論点整理が十分に行われることなく、米中対立は日増しにエスカレートしているというのが現状である。売られた喧嘩は必ず買うのが中国人の国民性かつて日米貿易摩擦のとき、日本はアメリカに喧嘩を売られても買うことなく、相手との妥協点を探った。実際のところ、日本にとってそれは得策だったといえるだろう。しかし、中国人はその国民性からなのかもしれないが、必要以上に“強がる”傾向がある。つまり、中国人は中身の損得よりも態度で相手に負けてはいけないと考えがちなのである。この点は、多くの外国人がもっとも理解にしくい中国人の特性かもしれない。米中対立の初期段階でトランプ政権によって制裁関税を課されたとき、習近平国家主席をはじめとする北京の首脳は、アメリカと和解を図る代わりに、「中国の文化はやられたらやり返す、すなわち、『目には目を、歯には歯を』である」と繰り返し強調した。対立が激化してから、中国の国営テレビ「中央電本論/問題は貿易摩擦のみにあらず5つの視点で読み解く加速する対立の正体!


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