バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて
わが国では、ワーキングプアの増加や、母子家庭や子育て家庭に対する支援といった問題が山積しています。一方、国の財政状況の悪化を考えると、単なるバラマキにならないよう効率的な政策が求められます。
東京財団では、こうした状況に対処する新たな政策として、2007年より「給付付き税額控除」導入の必要性を訴えてきました。その集大成として、今回はより詳細な制度設計の論点整理、海外の導入事例に加え、日本における各種導入モデルを提言します。
■ 「給付付き税額控除 具体案の提言~バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて~」(PDF:1.29MB)
「給付付き税額控除 具体案の提言」(概要)
以下のような問題に対応する制度として、給付付き税額控除の具体的なモデルを提案。
- 格差・貧困の問題、ワーキングプア対策
「勤労税額控除」 により低所得労働者に生活支援を行うとともに、就労インセンティブを与える。 - 子育て家庭への支援、少子化対策
「児童税額控除」 により、所得制限を設けた上で母子家庭や子育て家庭を集中的に支援。 - 消費税引き上げに伴う逆進性対策
「消費税逆進性対策税額控除」 により、消費税引き上げ時に生じる「逆進性」(低所得層ほど所得全体に占める消費税の支払い金額の割合が増えること)に効率的に対応。
※食料品等の軽減税率よりも逆進性解消効果が高いことを示すシミュレーション
上記に加え、先進諸国での給付付き税額控除の導入例(米・英・仏・オランダ・韓国・カナダ等)の詳細、日本における導入にあたっての課題等を網羅的に提示。
■提言全文はこちらよりダウンロードできます 「給付付き税額控除 具体案の提言~バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて~」(PDF:1.29MB)
執筆
- 東京財団「税と社会保障の一体化」プロジェクト
- 森信茂樹 東京財団上席研究員 ※リーダー
- 小林 航 千葉商科大学政策情報学部准教授
- 藤森克彦 みずほ情報総研 社会保障 藤森クラスター主席研究員
- 佐藤主光 一橋大学経済学研究科教授
- 度山 徹 内閣府政策統括官(経済社会システム担当)付 参事官(個人の資格で参加)
- 鎌倉治子 国立国会図書館(個人の資格で参加)
- 成田元男 成田元男米国税理士事務所
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