11道県で水源地域保全条例が成立
~ 国に先行して土地売買の事前届出を義務化 ~
2013年3月までの約1年間で、11道県において水源地域保全条例が成立しました。
まず2012年3月に、北海道が国に先駆けて水源地域の土地売買の事前届出を義務付ける「北海道水資源の保全に関する条例」を創設し、それを皮切りに、埼玉、群馬、茨城、山梨、山形、福井、富山、石川、長野、岐阜の各県が相次いで同様の条例を制定しました。現在、高知、徳島、宮崎をはじめとする複数の県でも検討が進んでいます。
2010年6月に北海道が全国で初めて「外国資本による森林買収」に関する調査結果を公表して以来、国に土地制度の見直しを求める自治体等からの意見書・要望書は100件を超えます。世論の高まりを受け、国は2011年4月、すべての森林の土地所有権の移転について事後届出を義務付ける改正森林法を制定しました。しかし、取引が事後に判明するのでは問題を未然に防ぐ効力は十分とは言えません。
東京財団は2008年以来、近年の山林売買の環境変化を端緒に、日本の土地制度の課題について問題提起を行っています。今回の相次ぐ条例成立は、現行の土地制度に対する自治体の危機感の表れと言えます。この動きを国の土地制度の改革へと繋げるべく、引き続き研究と発信を続けていきます。
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