4月13日、米国税理士成田元男氏から、給付付税額控除制度の概要・評価につき、米国の税務申告書(1040等)をもとに報告を受けたあと、さまざまな議論を行った。
その概要は次の通り。
- 2006年では子供一人当たり最大2,747ドル、子供二人で最大4,436ドル、子供なしで最大412ドルが還付される。還付額は毎年インフレ調整が行なわれている。
- 適格子女がいる場合の所得制限は、子供一人の場合32,001ドル(夫婦合算申告で34,001ドル)、子供二人以上の場合36,348ドル(合算申告の場合38,348ドル未満)であることが要件とされる。夫婦別申告ではEITCは取れない
- 所得には、賃金、チップ、自営業の利益等が入る
- 前払いEITC制度もあるが、あまり利用されていない
- EITCは年一回の支給なので、ボーナス的な受け止め方ではないか
- 制度はきわめて複雑である
- 自己申告なので、不正受給は多い
- ただし、無申告だと移民の問題、懲役刑の問題が生じるという鞭がある
- 日本で導入するとしたら、年末調整制度に乗っけることが効率的ではないか(制度としては自主申告制度のほうが優れているが)
- EITCは全て個人の責任で申告されており、会社側にはわからない
- 政策効果のほどは良くわからないが、大勢の人にとって、還付になるので、それなりの効果はあると思われる
- わが国への導入を考えると、所得控除の水準を引き下げることとあわせて給付付税額控除を導入することになるが、その場合税体系全体をも見直す必要が出てくる
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