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第6回「税と社会保障の一体化の研究―給付つき税額控除・納税者番号制度―」研究会議事要旨

August 30, 2007

日時:2007年8月30日(木)12:00~
場所:東京財団 C会議室
講師:八塩裕之(京都産業大学専任講師)


消費税の逆進性(低所得者で所得に占める消費税の負担率が高くなること)を緩和するという観点から、給付つき税額控除を活用することが考えられる(そうした政策はカナダで実際におこなわれている)。8月30日の研究会では、そうした政策について参加メンバーで議論をおこなった。そのあと、今後の研究会の進め方について議論した。

「消費税と給付つき税額控除」に関する議論の概要は以下のとおりである。

  • 消費税は生涯所得に対する比例税であり逆進税ではない、とする指摘があるが、一部低所得者に対しては消費税率を大きく引き上げた場合の税負担軽減措置は依然必要と考えられる。
  • 低所得者の消費税負担軽減政策として、食料品の軽減税率が検討されることが多いが、低所得者に的を絞った負担軽減にはならず、その政策効果は大きくない。
  • 給付つき税額控除の場合、直接的な所得再分配となるため、軽減税率よりは効果がはるかに大きい。
  • 給付つき税額控除の対象を限定すれば効果はさらに高まると考えられる。たとえば控除の対象者を低所得者に限定することや、勤労所得を得ている者に限定することが考えられる。
  • 給付つき税額控除の実施には反論もあるが、消費税率の引き上げとセット導入する形をとれば、より受け入れられやすくなると考えられる。その際、所得税の所得控除縮小をあわせることができればさらに望ましい。
  • さまざまな政策のシミュレーション分析ができれば、その政策効果がより明らかになり望ましい。

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