気候変動問題への取り組みに熱意
9月18日に開幕する第62回国連総会の議長に就任するスルジャン・ケリム氏(58歳)=写真右=が来日し、8月24日、東京・赤坂の東京財団で当財団の北岡伸一主任研究員(東京大学教授)=写真中央=と約1時間30分にわたって懇談しました。
ケリム次期議長は、マケドニア(旧ユーゴスラビア)出身で経済学者として活躍後に外務省入り、外務大臣や国連常駐代表を歴任し、今年5月に総会議長(任期1年)に選出されました。
懇談でケリム次期議長は、任期中に取り組むテーマとして、1. 気候変動への対応、2. 開発の資金調達、3. 国際テロリズム対策、4. ミレニアム開発目標の実現、5. 安全保障理事会・総会改革、6.女性と子供の問題、7.事務局の運営改革――と多岐にわたる項目を挙げました。そのうえで、「総会は傍観するのではなく、動かなくてはならない」と指摘し、総会が国連活動で主体的な役割を果たすためリーダーシップを発揮する考えを強調しました。
次期議長は特に、気候変動への対応が「最も重要なテーマだ」と言明、地球温暖化防止に成果を挙げることで「国連のイメージを向上させることができる」と語りました。今年6月の主要国首脳会議(ハイリゲンダムサミット)で温室効果ガスの削減目標について一応の合意をみたことを歓迎し、約180か国が参加する国連総会演説でも各国がこの問題に関心を払い、活発な討議を行うよう求めました。
北岡主任研究員は、安保理常任理事国入りへの国民の高い期待を紹介したうえで、「これからの1年は日本にとっても重要だ。わが国が果たすべき役割は大きい」として、安保理改革を実現しつつ、日本が国際社会に対し一層積極的な貢献をすべきだとの考えを示しました。
懇談には、当財団の「現代アメリカ研究プロジェクト」でプロジェクトリーダーを務める久保文明東京大学教授(写真左)も同席しました。