「日本のたからもの再発見プロジェクト」では、世の中に散在する食に関する情報や研究成果を再整理し、日本に未だ存在しない食の学問体系を構築することを目指して、現在、国内の食関連学部・学科の調査を実施しています。
これまでに、国公立・私立4年制大学133校の食関連学科・学部をデータベース化し、現在、集計・分析作業を行っています。なかでも、日本大学生物資源学部食品経済学科、宮城大学食産業学部など、とくに特徴的・先駆的と思われる大学については、学科設立関係者にヒアリングを行い重点調査をしています。
また、海外事例の調査として、イタリア食科学大学視察につづき、米Culinary Institute of America 関係者へのインタビューを実施しました。
これまでの調査の結果、食関連学部・学科は、食産業の変化・拡大にともない、従来の生産・加工といった「川上」を中心としたカリキュラム構成から、流通・消費という「川下」へと、その対象分野を拡大していること、食に対する社会的関心の高まりを受けて、2000年以降、食関連学科新設の動きが見られることなどがわかってきました。
本プロジェクトでは、8月末までにこれらの調査結果をまとめ、それにもとづき9月から有識者会議を開催し、「食の学問体系」の構築に向けた具体的議論を開始する予定です。
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