「日本の文明戦略と環境戦略プログラム」では、9月26日に第2回現代病理研究会を開催しました。
今回はゲストに岩井克人氏(東京財団主任研究員/東京大学経済学部教授)を迎え、「文明と金融」をテーマに議論を行いました。
はじめに、現代社会特有の事象として本研究会が着目している、「実態を伴わない金融取引の増加」、「食のあり方の変化」、「自殺の増加」、「医療技術の発達と生命倫理」といったテーマについて、「問題の本質はなにか?」という視点から論点の整理を行いました。
とくに、現代都会人が、利潤・効率・便利さなど個人の欲求を満たすために社会的条件(インターネット等のインフラや法規制・緩和等)を整備し続けてきた結果、社会の様々な制度や人々の暮らしの変化が暴走・加速し歯止めが効かなくなっているという、「速度」の問題が、現代文明における問題の本質にあるのではないか、という問題提起が行われました。
その上で、「文明と金融」について、市場主義経済における効率性と不安定性の二律背反性や、金融取引の「速度」がもたたらす問題、近年注目を集めている遺伝子決定論と、それに対する「言語」や「貨幣」の現実性、絶対性などについて議論を行いました。
◆ 議事要旨は こちら
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