日時:2008年5月16日(金)
場所:東京財団A会議室
第2回会合の議事要旨は次の通り。
冒頭に内閣府の大島一博参事官から社会保障番号・社会保障カードについての近年の検討状況を説明、その後メンバーで議論を行った
1、社会保障番号・社会保障カードについて
・社会保障カードについては、IT戦略本部決定で平成23年度中を目途に導入することとされ、20年度には基本計画の策定に予算がついている。検討に当たって、厚生労働省,内閣官房IT室と総務省の連携体制がとられている。
・番号からのアプローチとしては、平成18年に内閣官房の取りまとめによる課長級の連絡会議での実務的な議論の整理が行われた(注:この検討結果については経済財政諮問会議で報告されている)。社会保障各制度は既にそれぞれに固有の番号が用いられているが、これを制度間・保険者間を通じて共通のものとする場合の方法や効果、問題点等について検討されている。
・カード(システム)の側からアプローチとして、平成19年9月から厚生労働省において「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」が開催されている。ここでは、一枚で年金・医療・介護の証書になるようなカード及びその活用システムの検討がテーマであり、番号はそれに付随する一検討事項とされ、必ずしも「番号ありき」ではない。また、検討会の下に設置された作業班における最近の議論では、加入者を特定するための鍵となる情報について、これまでは主になんらかの番号を利用する方法が検討されていたが、それに加えて、公的個人認証に用いられるPKI(Public Key Infrastructure、公開鍵暗号基盤)を用いる方法も検討されている。
2、メンバー間の議論
・ICカードにどのような情報を入れるか?
→個人情報保護の観点からはICチップには極力情報を入れずにデータベースにストックすることが考えられる。
→また,ICカードは書き換えを制御できセキュリティが高いということがメリットとなる。紙の保険証だと偽造できてもICチップは書き換えができないと偽造ができない。
・社会保障カードの券面だけで本人確認は可能か?
→希望者には4情報と写真を載せて身分証として使うことも検討される方向にあるが、希望しない人には券面に住所などは載せないので、券面だけでは本人確認はできない。
→電子申請やオンライン閲覧の際にはPKIを用いた本人確認が行われる
・住基カードとの関係を考える必要がある
→関連する仕組みの一つとして、住基カードの活用も視野に入れた検討が行われている。住基カードには、PKIを載せられるようになっているなど、効率的に活用できる。
・番号による名寄せの問題について
→共通的な番号を導入した場合の問題点は、同じユニークなコードを民間・行政で用いると、名寄せしやすくなり、様々な個人情報が集積されてしまうおそれがあるという点である。
→このため、住基コードや基礎年金番号では、目的内での使用や告知要求制限、データベース構築禁止の規定が法律に定められている。個人情報を保護するため、社会保障番号についてもこうした観点からの検討が必須である。