日時:2009年3月14日 13:00~17:00
テーマ:公益資本主義が創る21世紀の社会
開催場所:あわじ夢舞台国際会議場
3月14日の淡路円卓会議でデビッド・ブルナー研究員が 公益資本主義研究 の研究発表、イーサン・バーンスタイン研究員が公益経営の発表をし、電源開発の中垣社長、ブラック・ネット社アブドゥール・ムイード・チョウドリ会長、井戸敏三兵庫県知事とのパネルディスカッションに参加をしました。
概要:
・アメリカ流資本主義の問題点の原因
・公益経営の事例
アメリカ流資本主義の問題点の背景にある原因を明らかにし、新しい資本主義が必要としている、持続可能性・公平性・改良改善という公益に必要不可欠な要素に焦点をおき発表いたしました。1970年代以降のアメリカ流資本主義は二つの特徴があります。先ず、自由市場で全ての社会問題が解決できるという「市場万能主義」。次に、会社を株主の所有物とし、経営者の役割を株主価値の最大化とする「株主至上主義」。この二つのイデオロギーは理論上でも深刻な問題を抱えており、実際には所得格差、短期志向と過少投資、ソーシャル・キャピタルの崩壊という弊害をもたらします。日本でも同様な問題が出始めています。この問題を乗り越えるために、資本主義の再設計が必要です。
イーサン・バーンスタイン研究員は公益経営についてオムロン社を事例に発表を行いました。オムロンは「企業は社会の公器である」ことを企業理念に掲げており、それは企業活動の様々な場面で生きており、営利を追求することではないことについて説明をしました。
パネルディスカッションでは、長期的な視野を持った経営をどのように企業経営者が取り組んでいくべきか、NGO、地域社会、企業、それぞれの観点から発表をし、議論は会社経営における経営理念の役割から買収防衛・ストックオプション制度の変更全般にわたって展開されました。