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公益資本主義の実例 1 【brac-Netモデル】

January 1, 2009

公益資本主義の実例

公益資本主義の実例として、米国ベンチャーキャピタルのデフタ・パートナーズとBRACによるbrac-Net社があります。貧困をなくすためには経済的に自立するビジネス展開をすることが重要です。さらに、そのビジネスは株主を含むステイクホルダーに経済的にも社会的もいいインパクトをもたらすことが持続可能性の鍵です。brac-Net社はバングラデシュのNGOであるBRACが40%、デフタ・パートナーズが60%の出資で立ち上げたインターネット接続会社です。ビジネスとしてインフラサービスを提供すると同時に、そこで上げた利益は出資分に応じて40%がBRACに還元され教育事業や医療支援にほぼ全額投入されます。BRACは、農村部の医療と教育向上を目的としたNGOであり、配当金は非課税扱いになります。


収益を上げながら医療・教育に貢献

bracNet社では、WiMAXという最新の無線技術を活用したインターネット接続業務など幅広い顧客層を対象にしたサービスを行っています。WiMAXは、無線で高速ブロードバンドを実現する次世代の通信技術で、この技術を用いれば、途上国において通常の通信インフラ整備よりも低コストで高速ブロードバンドサービスが提供でき、バングラデシュの低帯域の通信インフラ上でも、遠隔教育や遠隔医療に必要な画像配信が可能となります。今後BRACが全国の農村に持つ小学校5万校と1,000以上の図書館をインターネットで繋ぎ、教育インフラの改善を図っていく予定です。このような、営利組織の株式会社と非営利組織のNGOが共同で出資したハイブリッドな会社モデルが公益資本主義の実例として機能しています。

2008年6月、世界銀行の論文集 『Development Outreach』 にも理想的な途上国支援のモデルとして掲載され、世銀、国際通貨基金、欧米の途上国支援担当官の注目を浴びました。

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