地方から人が減り、地価の下落が続く中、所有者が直ちに判明しない、いわゆる「所有者不明」の土地が、震災復興や空き家対策などを進める上で支障となる事例が各地で報告されています。
「国土資源保全」プロジェクトでは、「所有者不明化」の大きな原因の1つである相続未登記に着目し、それが「死亡者課税」など固定資産税実務へ及ぼす影響から問題の実態把握を試み、報告書としてまとめました。
全国888自治体から回答を得たアンケート調査(回答率52%)から明らかになったのは、自治体による土地所有者の生死や居所の正確な把握が制度的に困難なことです。国土情報基盤の未整備が問題の根本原因の1つであり、このままでは、急速な高齢化・グローバル化とともに、土地の「所有者不明化」の拡大は不可避と考えられます。制度の見直しを進めるとともに、当面の措置として、土地所有者、行政双方にとって各種手続きコストを低減するための支援策の整備等が急務です。
主な調査結果
- 土地の所有者が特定できないことによって問題が生じたことがある自治体は63%
- 死亡者課税の人数は「わからない」が83%
- 今後、死亡者課税は増えると予想するのは87%
- 「課税保留」のうち「所有者不明」関連は77%
・対象:1,718市町村および東京都(23区)
・回答率:52%(全国888自治体が回答)
▼ 報告書 「土地の『所有者不明化』~自治体アンケートが示す問題の実態~」 (PDF:1.09MB)
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