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雇用政策をめぐる議論は、長らく規制強化論と緩和論の間を揺れ続け、ます ます混迷の度合いを深めています。いま必要なのは、こうした二元的対立で はなく、日本経済の長期的な発展と労働者の技能向上を同時に実現すること を見据えた理念と政策対応です。
東京財団では、この喫緊の課題に応えるべく、日本の雇用政策の新たな理念 と体系的な制度改正案を政策提言「新時代の日本的雇用政策~世界一質の高 い労働を目指して~」としてまとめました。
提言書の目次とテーマ
- 【雇用の本質と技能蓄積】 そもそも「雇用」とは何か、今後我が国がとるべき雇用政策の理念
- 【最低賃金の引き上げと労働の質の向上】 最低賃金制度を生産性向上の起爆剤とする提言
- 【労働者派遣の制度】 労働者派遣法の改正についての政府案の問題点と解決策
- 【セーフティネット、技能蓄積と教育訓練】 セーフティネット再構築のあり方、「トランポリン」政策
- 【有期雇用の制度】 有期雇用の締結・更新に関するルールのあり方
- 【無期雇用の制度】 解雇規制についての考え方と、法制度のあり方について
- 【おわりに】 労使コミュニケーションの重要性
政策提言のポイント
- 最低賃金の段階的引上げと企業内訓練への支援や投資減税との組み合わせ
→企業と労働者に生産性向上インセンティブを与える - 派遣法の見直し―「常時雇用」の定義改訂と参入規制
→労働者に技能蓄積のチャンスの提供と経済のグローバル化対応の両立へ - 生活保護から雇用保険、隙間のない制度へ
→勤労インセンティブを高めるセーフティネット - 「有期雇用」と「無期雇用」の法的整備
→経営者と労働者の認識ギャップを埋めるための政策
<検討メンバー>
- 岩井克人(東京財団主任研究員、東京大学教授)
- 村松幹二(東京財団研究員、駒澤大学准教授)
- 神林 龍(東京財団研究員、一橋大学准教授)
- 清水 剛(東京財団研究員、東京大学准教授)
- 佐藤孝弘(東京財団研究員兼政策プロデューサー)
- 冨田清行(東京財団研究員兼政策プロデューサー)
- 風間直樹(東洋経済新報社・オブザーバー参加)
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