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農業構造改革の隠れた課題 ~変わる農村・取り残される農政~

March 7, 2013

高度経済成長を経験した農業と農村は、大きく変貌しました。農業は、栽培品目や農地面積、流通経路が経営体ごとに異なり、企業参入も始まっています。農村は、農業者人口の減少などから非農家住民の割合が増加して、住民と農業とが疎遠になっています。こうした変化によって、かつての「等質的で安定的な農村社会」は「多様なメンバーからなる変化に富んだ農村社会」に変わりました。しかし、農業の現場では、この変化に対応しきれず、農地の利用調整や農業インフラの維持管理方法について、いくつかの課題を抱えています。

多様で異質なメンバーの間で農地の利用調整を行う際には、従来の農協や農業委員会による仕組みでは、公平・公正な判断ができているのか懸念される状況が起きています。

また、農村社会の共同活動として行われてきた農業インフラの維持管理活動についても、これまでどおりの労力の提供を求めるのは難しくなっています。少数になってきた耕作者が負担するのも難しく、高齢化したり地域から離れたりする人々も増えている農地所有者が負担するのも難しく、すべての地域に当てはまる1つの正解はありません。

農業政策については、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加をめぐり、輸出拡大や農産物の付加価値向上など農業の競争力強化の必要性が訴えられています。しかし、生産活動そのものを支えている農地や農業インフラについてのこれらの根本的な課題は、TPP の有無に関わらず、日本の農業を足元から崩しかねません。

東京財団「日本の農政改革」プロジェクトでは、農業・農村の長期的で不可逆的な変化をふまえたうえで、見落とされがちな、しかし現場では確実に進行している根の深い課題を解決するため、政策提言をまとめました。

政策提言「農業構造改革の隠れた課題~変わる農村・取り残される農政~」(PDF)はこちら(B5版)

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