この度、 原田泰 上席研究員による 『震災復興 欺瞞の構図』 (新潮新書)が刊行されました。
東日本大震災の復興に要する費用が19~23兆円といわれ、それを賄うための増税論議もある中で、被災者の生活を取り戻すために巨額の復興予算が本当に役立つのか、より早く、効果的な復興のあり方を探ることはできないのか、と原田上席研究員は本書の中で繰り返し、問いかけています。
震災被害の中で苦しんでいる人々の自立に向けた支援は必要であるが、震災とは関係の無いところにまで復興予算を配ることについて警鐘を鳴らし、過去に日本を見舞った大震災の経験を教訓にした、より効果的な復興支援策についても本書で提示されています。また、必要以上に復興予算を膨らますことを望みがちな政府や県の動機にも触れ、被災地復興という課題を通じて、国民の政治への依存という構図についても問題提起を行っています。ぜひご一読ください。
(浅野)
『震災復興 欺瞞の構図』*目次
序 論 人を助ける復興策とは
第1章 大増税の口実に使われる大震災
第2章 過去の震災復旧対策の浪費ぶり
第3章 政府や県が無駄遣いに積極的な理由
第4章 最も安上がりで効果的な復興策
第5章 過去の大震災に学ぶ
第6章 原発事故の教訓
終わりに
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