野澤千絵
東洋大学理工学部建築学科教授
1.はじめに
日本だけでなく、世界の人口減少都市(Shrinking Cities)で発生している空き家問題は、現代社会が抱える深刻な都市問題の一つとなっている。
空き家といっても、民間市場での売却可能性のある場合は、所有者が売ろう・貸そうという気になれば、不動産業者などの担い手はそれなりに存在している。しかし、売却可能性が低い物件や低額な物件の場合、仲介手数料は売買契約が成立しないと発生しないため、手間や時間がかかる割に儲からないこともあり、不動産業者からは敬遠されがちである。
日本は核家族化の進展に伴い、仕事や結婚で実家に戻る予定がない、また、子世代も自分たちの家を購入している場合が多いため、相続発生後に実家を引き継ぐケースが少ない。こうした状況の中で、所有者が空き家を何とかしたい、無償でもいいからだれかに譲渡したいと思っても、相談先の見当もつかないし、どうせ売れないだろうと諦めが先にたち、結局、空き家のまま置いておこうというケースも多い。
このように、売却可能性が低い空き家の流通・活用を支える担い手が不足していることも、空き家を増やす要因の一つになっている。
世界に目を向けると、空き家が大量に発生し、地域の衰退化が進んだ街の中には、民間市場では流通が困難な空き家や空き地を無償に近い価格、あるいは無償で、「責任ある所有者」へとバトンタッチしようという取り組みが展開されている。こうした取り組みは、日本の売却可能性が低い空き家の活用促進策を検討する際のヒントになる点も多い。
本稿では、2009年から1ユーロで空き家を売るプロジェクトに取り組む南イタリア、シチリア島のガンジ村に着目し、民間市場での売却可能性が低い空き家の活用促進策における5つの原則として紹介する。なお、この1ユーロプロジェクトについては、現地調査やガンジ村の首長ミグリアッツォ(Francesco Paolo Migliazzo)氏、1ユーロプロジェクトに協力している地域の不動産業者チリブラーシ(Alessandro Cilibrasi)氏、1ユーロ物件の購入者トゥッツォリーノ(Ignazio Tuzzolino)氏へのヒアリング調査に基づいている。
2.ガンジ村の概要
シチリア島は地中海に浮かぶ最大の島で、美しい海や自然があり、映画『グラン・ブルー』の舞台としても有名である。古代からさまざまな民族が行き交う地点にあることから、古代ギリシャ、ローマ、アラブ、ノルマンなどからさまざまな侵略を受けてきた。そのため、各時代の遺跡や歴史が入り交じり、イタリア本土とは異なる独自の文化を形成している。
ガンジ村は、シチリア島の州都パレルモから内陸を車で2時間ほど走った小高い丘の上にある。14世紀に形成された旧市街は、路地や階段が迷路のように入り組み、斜面に建てられた石造りの家々がぎっしり建ち並んでいる。
人口は、1900年代初期は約1万6,000人だったが、第一次・第二次世界大戦の前後あたりに、ガンジ村の家を捨て、海外、特にアルゼンチンに大量に流出していった。その結果、人口はピーク期から半減し、現在は7,000人程度になっている。引き続きガンジ村に残った人もいるが、中心部の旧市街は、坂道や階段が多く、伝統的な家は、1階は動物(羊)などを飼う空間で、2階・3階が居住空間という形態であるため、街も家も住みにくい。そのため、旧市街の家を放置したまま、丘のふもとに家を建てて住む人が増えていった。結果として、写真2のように、丘のふもとに街が拡大し、その一方で、旧市街は空き家が増えた。1ユーロプロジェクトに関わっている地元不動産業者の方の感覚では、当時、旧市街の3軒に1軒程度は空き家という状況だったのではないかという。
3. 1ユーロプロジェクトとは
1ユーロプロジェクトの発端は、2007年に、旧市街に駐車場の整備計画が持ち上がったことにさかのぼる。当時、この駐車場の整備に向けて、自治体(COMUNE DI GANGI)は、所有者を探索し、個々に連絡をとり、自分の家や土地を手放してもよいかといった意向調査を行い、物件リストを作成した。しかし、幸か不幸か、イタリアの文化遺産保護局から、伝統的な建造物であるということで、家の取壊しの許可が下りなかった。ガンジ村は、基本的に、空き家を解体するという選択肢がないという点が日本とは異なっている。
そこで、自治体は、駐車場の整備は断念し、多くの空き家が放置された状態は景観として美しくないことや、まちの中心である旧市街の空き家を活用することが、まち全体の活性化につながるのではないかということが方向性として出され、2009年、空き家を1ユーロ(約 120円)で売り出すプロジェクトをスタートさせた。
ガンジ村では、1ユーロプロジェクトを実行するために、まず、自治体が空き家所有者を探索し、1ユーロで売却してもよいという所有者をリスト化していった。イタリアでは不動産の税金が高いこともあり、1ユーロでも譲渡しようと決めた人も多かったそうだ。
なお、ガンジ村では、自治体が1ユーロで空き家を取得しているわけではない。あくまでも自治体は、所有者と買い手の窓口の役割を担い、実際の購入希望者への物件案内、交渉、書類作成、契約手続きなどは、地元の不動産会社が担う仕組みになっている。
また、1ユーロプロジェクトでは、購入者が空き家のまま放置しないようにする仕組みを盛り込んでいる。具体的には、購入日から1年以内に改修工事の準備に着手し、建築許可を得てから3年以内に居住可能なレベルにする改修工事を完了させることを義務づけている。こうした条件を保証するために、購入者は5,000ユーロ(約60万円)を地元議会に納める。この保証金は家が修復されたら返還されるが、不履行の場合は没収される。
2020年1月末現在、ガンジ村の1ユーロプロジェクトのウェブサイトでは、1ユーロで売られている空き家は31軒となっている[1]。現地で売り出し中の1ユーロ物件を実際に見せていただいた。写真3の空き家は階段の上にあるため、車で直接アクセスができない。内部もかなり傷んでおり、雨漏りもしていた。こうした1ユーロ物件を居住できるレベルにするには、物件にもよるが、平均的には改修工事に3万5,000ユーロ(約420万円)程度は必要になるとのことであった。
4.ガンジ村の所有者不明空き家
ガンジ村の首長によれば、自治体が責任を持って、空き家の所有者にたどりつくようにしたいと取り組み始めたが、これがかなり大変な作業だったとのことである。自治体から所有者を探索し、連絡すると、自分がイタリアに不動産を所有していることを知らない、あるいは海外に転居してどうしてもコンタクトがとれない所有者や、代替わりで所有者多数・所有者不明の空き家もあったそうだ。余談だが、首長に、日本とまったく同じ状況だと伝えると、空き家の所有者不明問題は世界共通だねと、今回、最も話が盛り上がった場面となった。
実際、トゥッツォリーノ氏が1ユーロで購入した写真4の物件では、所有者が18人もいた。 そこで、売買契約に際し、自治体が18人の所有者全員に連絡をとり、たった1ユーロの契約書へのサインのために、なんと18人全員が国内外からガンジ村に集まってくれたそうだ。
ガンジ村は人口7,000人程度の小さな自治体で、1ユーロプロジェクトには、技術系と英語が話せる事務担当の計2名しか割けない。その状況の中で、ガンジ村では行政と民間の役割分担を明確化し、行政は行政にしかできないことに注力していることがわかる。
近年、イタリアでは、ガンジ村の取り組みを参考にした、自治体主体の低額で空き家を売り出すプロジェクトが増えている。例えば、同じシチリア島のサンブーカディスチリアというまちでは、ガンジ村に比べて不動産の価値が若干あることから、オークション形式(開始価格は1ユーロ)で空き家を売っている。
5.1ユーロプロジェクトの成果
ガンジ村の1ユーロプロジェクトを契機に、この10年間で旧市街の多くの空き家が解消され、190軒の空き家の売却が実現し、そのうちの90軒で修復工事が完了している[2]、実際に旧市街を歩くと、3軒に1軒が空き家だったとは思えないほど、多くの人が行き交う活気のある街へと再生されていた。
こうした成果が得られた大きな要因は、1ユーロプロジェクトをきっかけに、1ユーロ物件以外の空き家が売れたことだ。ガンジ村では、2009年、国内外に1ユーロプロジェクトをスタートすることを大々的に発表した。その結果、コーヒー1杯の値段よりも安い1ユーロでシチリアの家が買えるということで世界的に注目された。その結果、世界中から約5,000件もの問合せがあるなど、大きな反響があった。
しかし、実際に1ユーロ物件が売れたのは、取り組みがスタートして2年目の2011年であった。その理由は、1ユーロでシチリア島の空き家が買えるのであればと、世界中から多くの人が地元不動産会社にコンタクトをとり、ガンジ村に足を運び、物件を見に来たが、実際に気に入って購入したのは、1ユーロ物件ではなく、その他の低額の空き家(物件にもよるが、100万~500万円程度)が多かったからである。例えば、写真5は、1ユーロ物件を見に来た人が、それ以外の空き家を低額で購入し、改修したものである。さらに、ガンジ村で空き家を買った人が、ガンジ村自体を気に入り、2軒目、3軒目とまた別の空き家を購入するケースもあったそうだ。
加えて、ガンジ村では、イベントや観光の情報を積極的に発信するなど、自治体としてさまざまな取り組みも同時に行っている。その結果、2014年には「イタリアの最も美しい村」のランキングで1位にも選ばれている。
6.1ユーロプロジェクトで人口は増えたか
首長に、「10年間にわたる1ユーロプロジェクトで人口は増えたのか」と伺ったところ、「空き家を購入しているのは、2地域居住をしたい人や、B&Bなどの観光のための受け入れ施設をつくりたいという人が多く、現時点では、移住者は少なく、定住人口は増えていない。確かに人口は増えることが最も望ましいが、地域が元気になること、地域経済が活性化することがまず大事だ。多くの空き家が売却され、活用されることになり、関係人口が増えるだけでなく、空き家の改修工事で地域の職人や技術者に仕事が生まれ、地元経済にお金が流れ込む効果が生まれている。日本にもこのプロジェクトをお勧めしたいが、人口増加だけを目的にするのでは難しい」ということを強調されていた。
実際に、1ユーロ物件(前掲写真4)を購入したトゥッツォリーノ氏は、1ユーロ物件は狭いところが多いが、この物件は窓からの眺望が良く、300平方メートルと広いところが気に入って購入を決めたそうだ。同氏によると、面積が広く、随所に夫妻のこだわりを実現しようとしたこともあり、最終的に、改修工事費は20万ユーロ(約2,400万円)となったという。実際に、改修後の家の内部を見せていただいたが、非常に質の高い空間へとリノベーションされていた。首長によれば、こうした改修工事の8割程度は地域経済の活性化に寄与したのではないかとのことであった。
1ユーロでもいいから処分したいと所有者から打ち捨てられた空き家であっても、現世代がきちんと「使える空間」にしておくことが、街の価値の再構築につながり、ひいてはそれが、将来、次世代が引き継ぎたいと思える街となる持続可能性をつくり出しているといえる。
加えて、受け入れ側の街の寛容性や空き家購入者が外部と地域をつなぐ応援団になって積極的に活動していることも、ガンジ村の空き家活用が成功している要因となっている。
日本の中山間地域などでも、せっかく古民家を活用したいという人がいても、歴史を重ねた集落の中には、外部の人を受け入れることに対して慎重なコミュニティもある。ガンジ村の場合は、コミュニティの結束が強いものの、例えば、空き家を見に来た外国人や観光客でも、カフェでたまたま一緒になっただけで家での食事に招待するなど、外から来た人とも問題なく、すぐに仲良くなるという寛容性があるのだそうだ。実際に、1ユーロ物件を購入したトゥッツォリーノ氏と一緒に街を歩いていると、たくさんの人が彼に声をかけてくるという信頼関係が生まれていることを実感した。
ガンジ村は、これまでさまざまな民族が入って形成されてきたという長い歴史が根底にあり、外部の人を受け入れることへのアレルギーがそこまで強くないということもある。とはいうものの、1ユーロプロジェクトの仕組みの中で、たとえ1ユーロであっても、空き家をもめ事をおこすような人には売らないようにしていることが村の人々に認知され、信頼されていることも大きい。
7.1ユーロプロジェクトを支える担い手の重要性
人口がピーク期から半減したような街では、多くの空き家に対して「責任ある所有者」を見つけだし、適切にバトンタッチするには、自治体だけでは難しく、自治体以外の有力な担い手や支援組織が必要となっている。特に、地域で掲げたまちづくりの主旨に即した形で、売却可能性が低い物件を扱ってくれる不動産の専門家の存在が重要となる。
1ユーロプロジェクトでは、前述したように、ガンジ村の空き家に興味を持ち、現地に見に来る購入希望者への物件案内や交渉、契約手続きなど、購入者と最も密に接する役割は、自治体と連携した形で、地域の不動産業者が担っている。しかし、日本と同様に、イタリアでも、不動産の仲介手数料は物件価格に比例する形が基本となっているため、たった1ユーロの物件の案内や契約書類の作成、契約手続きをするだけでは、不動産業者としては儲からない。
にもかかわらず、「なぜ儲からないのに関わっているのか」について、地域の不動産業者のチリブラーシ氏に伺ったところ、「何もしなかったら、何も生まれない」「たくさんの人にガンジ村の空き家に興味をもってもらうことが、将来的な自分の収入になると考えている」「1ユーロ物件を見に来た人が、最終的には別の物件を購入するといったこともある」といった答えが返ってきた。1ユーロプロジェクトの成功により、ガンジ村の不動産価格は上がったそうだが、同氏は、「たくさんの人に空き家を買って活用してほしいため、あえて空き家の価格を上げなかった」「確かに不動産業者としては、不動産価格が上がった方が儲かるが、今、卵を持つことが重要なのではなく、明日のために、にわとりを所有していたほうがよいと考えている」とのことだった。
まちづくりの発想を持った信頼できる担い手が民間側にいることも、1ユーロプロジェクトが成功している要因の一つといえる。
8.「責任ある所有者」になるかを見極める仕組み
売却可能性が低い物件については、誰でもいいから空き家が売れればよいという方向に流される危険性もあるが、その街にとって望ましい活用をしてくれる「責任ある所有者」を見極める仕組みづくりが重要となる。
例えば、アメリカのデトロイトでは、投機的な事業者が取得した物件が適切に管理、活用されずに放置されたり、税金滞納による差押えと競売が繰り返されたりすることで、地域が荒廃し、事態をいっそう悪化させたといわれている[3]。また、ドイツのライプツィヒでも、国内外の投資家が転売目的で空き家を購入し、何ら活用もせずに荒廃した状態で放置していることが今も問題になっている。つまり、物件価格が低額だからこそ、投機的な動きが生じてしまうリスクもあるため、空き家を活用しない形の転売だけが目的の投資をどう排除するかも非常に大事になる。
ガンジ村の1ユーロプロジェクトでは、物件の購入希望者は自治体に購入理由などを記載する申請書面を出す必要があり、購入理由が怪しい場合は申請が通らない仕組みとなっている。これに加え、地域の不動産業者のチリブラーシ氏によると、世界中からの本当にさまざまな人に、ガンジ村の空き家物件の案内や交渉をする中で、このプロジェクトの目的を理解しているかどうか、どのような活用を考えているのかなどを見極め、空き家の転売だけが目的の人には売らないようにしているそうだ。これは、日本の地方の移住政策と連携した空き家バンクなどでも同様の見極めを内々にされているところがあるのと同様である。
9.売却可能性が低い空き家の活用促進のための5つの原則
筆者がこれまで、日本・海外の空き家問題を調査する中で、民間市場での売却可能性が低い空き家の活用に成功しているところには、共通する原則があると感じている。紙面の都合上、他の地域のことは紹介できないが、具体的には、下記の5つである。
売却可能性が低い空き家の活用促進のための5つの原則
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これを読むと「なんだ、当たり前のことだけじゃないか」と思われるかもしれない。しかし、現時点において、この5つの原則のすべてが揃っている地域は少ない。
一般的に、民間市場での売却可能性が低い空き家が多いエリアは、人口や税収が既に減少し始めているところが多く、地域の不動産業者も、高齢化や家業の後継者がいないことなどで減少している。しかし、空き家だけは増え続けており、自治体が抱える空き家対応の業務負担は増す一方となっている。市町村の空き家担当として割ける人員も限られる中で、放置されて危険な状態となり、地域からの苦情や通報が絶えない「特定空家等」レベルの空き家への対症療法的な対応に手一杯となっているところも多い。
こうした状況から、近年、全国各地で空き家バンクも開設されているが、空き家バンクは、地域によってやる気の格差が大きい。残念ながら、自治体が「空き家対策に取り組んでいます」というポーズとして、とりあえず空き家バンクをつくってみた、というように見えてしまうところもある。特に、大都市郊外の自治体に多いが、各自治体内での空き家の特性を踏まえた上で、空き家バンクとして対象とすべきターゲットや民間との役割分担が明確になっておらず、実質的に機能しているとは言い難いところも見られる。
また、民間の不動産業者や各種不動産関連団体も、自治体との連携協定を締結しているところもあるが、ボランティア的な活動となることが多い。そのため、自治体担当者からは、空き家流通に向けて有力なプレーヤーとして、実質的にはなかなか動いてもらえないという悩みも聞く。
このように、日本では、売却可能性が低い空き家の活用に向けては、各地域の特性に応じて、上記の5つの原則を支えられる「横断的な」システムの構築を行う主体そのものが欠如していると捉えることができる。
10.さいごに
日本は2023年頃、世帯数も減少に転じ[4]、2030年頃には、持ち家世帯は倍速で消滅していく可能性が高い[5]。今後、エリアによっては、売却可能性が低い空き家が大量に出現することが予想される。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行からもうすぐ5年を迎える中で、自治体も国も、「特定空家等」未満のレベルの空き家、特に売却可能性が低い空き家(すなわち、将来、「特定空家等」レベルとなる可能性が高い予備軍)の対策を本格的に取り組む時期を迎えている。
空き家問題の特質は、問題を先送りし、時間が経てば経つほど、解決に手間・時間・コストがかかるという点である。つまり、現時点で解決方策を見出していかなければ、将来の公的コストを増大させてしまいかねない。
本稿が、「売却可能性が低い空き家をどうするのか」という根本的で深刻な問題に、所有者も自治体も国も真正面から向き合い、各地域の特性に応じて、前述の5つの原則に根差した横断的なシステムの構築に少しでも参考になることを期待したい。
[1] ガンジ村1ユーロプロジェクトのウェブサイト; https://1eurohouses.com/gangi/
[2] Silvia Mazza, “Case a 1 euro: giro d'Italia con tapa a Gangi,” Il Giornale dell'Architettura.com; https://inchieste.ilgiornaledellarchitettura.com/case-a-1-giro-ditalia-con-tappa-a-gangi/
[3] 藤井康幸「米国におけるランドバンクによる空き家・空き地問題対処に関する研究」東京大学学位論文、2016年12月、5頁に、Dewarら(Dewar,Seymour,&Druta 2014,p.15;Kahrl 2015,p.15;Kildee 2014)の指摘として引用されている。
[4] 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」2018[平成30]年推計。
[5] 野澤千絵「老いた家 衰えぬ街――住まいを終活する」講談社現代新書、2018年12月、60-61頁。
野澤千絵(のざわ ちえ)
大阪大学大学院修士課程修了後、ゼネコン勤務を経て、東京大学大学院博士課程修了。博士(工学)。東京大学特任助手等を経て、2007年より東洋大学理工学部建築学科准教授、2015年より教授。専門は都市計画・住宅政策・まちづくり。国土交通省社会資本整備審議会「都市計画基本問題小委員会」「住宅宅地分科会」の臨時委員をはじめさまざまな自治体の都市政策・空き家対策に関わる。主な著書に、本稿に関連する空き家の相続放棄や世界の人口減少都市の問題、民間市場の流通性が低い空き家を救う最新事例、住まいを終活する手順などを紹介した『老いた家 衰えぬ街――住まいを終活する』(講談社現代新書、2018年12月)のほか、『老いる家 崩れる街――住宅過剰社会の末路』(講談社現代新書、2016年11月)、『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(共著、学芸出版社、2014年6月)など。
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