第3回東京財団政策研究所ウェビナー
「アメリカ社会と人種問題:抗議デモの深層と大統領選挙への影響」
[出演]
▼進行・コメンテーター
久保文明 東京財団政策研究所上席研究員/東京大学大学院法学政治学研究科教授
▼ディスカッションメンバー
中林美恵子 早稲田大学社会科学総合学術院教授
前嶋和弘 上智大学総合グローバル学部教授
西山隆行 成蹊大学法学部政治学科教授
[概要]
東京財団政策研究所ウェビナー(Webinar)の第三弾は、アメリカの社会構造や人種問題などに起因する、抗議デモの深層とアメリカ大統領選挙への影響を扱う。
本年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで発生した白人警察官による黒人男性暴行・死亡事件は、全米で450以上の抗議デモを巻き起こし、アメリカの根深い人種問題を再び顕在化させた。
警察改革をはじめ人種による不平等を是正するための法整備を求める動きが拡大しており、11月の大統領選挙の動向、とくに黒人有権者の多くが支持する民主党の動きにも大きな影響を与えると見られる。
大統領選挙という大きな節目に向かうアメリカ政治・社会に、いま何が起きているのか。今回のウェビナーでは、アメリカの抱える構造的差別の問題を改めて露わにしたこの事件を専門的知見から考察し、警察行政をはじめとする制度的課題や、マイノリティの問題、社会的分断の実態などを、歴史的・政治的な背景にも触れつつ掘り下げるとともに、一連の動きが11月の大統領選挙へ与える影響について読み解いていく。
ウェビナー登壇メンバーは、東京財団政策研究所「2020年アメリカ大統領選挙と日米経済関係」プロジェクトのプロジェクトリーダーである久保文明氏(東京財団政策研究所上席研究員/東京大学大学院法学政治学研究科教授)をファシリテーターに迎え、中林美恵子氏(早稲田大学社会科学総合学術院教授)、前嶋和弘氏(上智大学総合グローバル学部教授)、西山隆行氏(成蹊大学法学部政治学科教授)ら4名で、アメリカ社会と人種問題から垣間見える抗議デモの深層と大統領選挙への影響について議論します。
[2020 年 7月3日収録]
※本動画の公開は終了致しました。
ディスカッションアジェンダ
<歴史>
- 背景にある歴史的経緯
<社会・政治>
- 米国社会が抱える差別問題の構造的な特色:マイノリティの問題、人種や地域等による事件への反応の差異
- 警察、取り締まりの実態:黒人にとっての警察・刑事訴訟法
- 社会的分断の実態:人種による主張・見解の違い(黒人の要求の例: 奴隷制への賠償、奴隷制支持者の銅像の撤去など)
<制度>
- 警察行政のあり方の課題、改革の行方(実効性)
<議会>
- 提案されている警察改革法案の内容と実現可能性
<アメリカ大統領の対応と大統領選挙>
- 大統領選挙への影響
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[関連ページ]
■ 第2回東京財団政策研究所ウェビナー「アメリカ大統領選はどうなるのか?―コロナ禍での選挙の行方―」
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<東京財団政策研究所ウェビナー(Webinar)の開催にあたって>
東京財団政策研究所では従来から、総計100回以上に及ぶ東京財団政策研究所フォーラム、各種公開研究会などの開催を通じて、カンファレンス・セミナー形式での政策研究成果の発信、参加者との相互交流などに努めてまいりました。この度、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡がりを受けて多人数での集いが制約される中、東京財団政策研究所は新たにウェビナー(Webinar)を開催していくことといたしました。ウェビナーとはウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語で、数年前から米国を中心に拡がってきた試みです。
私たちは、このウェビナーを当座しのぎのものとは考えていません。従来型のカンファレンスやセミナーの制約された代用品にするつもりもありません。即時性、双方向性などウェブならではの特長を生かし、時代の変化に合わせた新しい形の政策論議、知的交流の場として、今後、発展させていきたいと考えています。当初は不慣れゆえの試行錯誤もあるかと思いますが、そこはご寛容いただきつつ、末永くお付き合いいただきますようお願い申し上げます。