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北海道網走市議会議員との意見交換会

April 5, 2010

概要


2010年3月24日午後、北海道網走市議会の議員6名の訪問を受けました。
地方議会改革の意義や目的と全国各地の議会改革の動静について説明しました。また、地方議会の将来像についても忌憚ない意見交換ができました。

議会改革の必要性には感じているが、具体的に議会基本条例の制定が必ずしも議会改革に直結しないのではないかとの指摘もありました。議会基本条例を制定することが目的ではなく、議会が市民と直接向き合える法的な手段を整えることが目的であることを説明しました。「東京財団モデル」で主張している議会報告会や請願・陳情者の意見陳述は、その実施が目的ではなく、その機会を通して市民と向き合い、意見を交換することが主たる目的です。また、首長と異なり、行政執行権を持ち合わせない議会が市民からの要望を受けても、聞き置くことしかできないとの指摘もあります。しかし、北海道栗山町で実際行っているように、報告会で受けた意見・要望を取りまとめ、行政に回答を求めることは可能です。その回答を次回の議会報告会で住民に文書で知らすことも政策立案過程としては重要と考えます。

また、総務省の地方行財政検討会議で地方議会のあり方自体がテーマとなっていることを受けて、改革に着手する時期を見極めている議会や議員も少なくありません。今後の議論については注視する必要は大いにありますが、現在直面している地方議会の危機を軽視する行動は許されません。将来、地方議会の姿が変質しても、市民と向き合うことが求められることには変わりありません。時期尚早を理由に改革に着手しないことは、他の理由で改革に消極的な姿勢を示すことよりも自治のレベル向上に貢献していません。また、多くの市民には、改革に事実上反対していると受け止められるでしょう。財政が逼迫して中、自治を担う首長・議会・市民に時間的猶予はないに等しいです。

<文責:赤川貴大>

    • 元東京財団研究員・政策プロデューサー
    • 赤川 貴大
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