⇒ 開催日時 : 2014年5月28日(水)18:00-20:00
⇒ 開催場所 : 東京財団会議室
⇒ 概要説明(ねらい)
ひとつの研究発表が、どうしてこのような大騒ぎになってしまったのでしょうか。
STAP(刺激惹起性多能性獲得)細胞研究を巡っては、あまりにも多くのことが言われてきました。不正の程度、研究のチェックのあり方、若手起用の是非、国の振興政策との関わりから、関係者の個人的な資質や人間関係まで、その全貌をリストにするだけでも大変です。
ですがそれらの論評は、増えれば増えるほど、科学本来の問題から離れてしまっていないでしょうか。研究倫理問題への対応が、組織運営や国策との絡みでばかり論じられ、科学のあるべき姿の議論につながっていないのではないでしょうか。
私たちは科学研究に何を求め、成果をどう受け取るべきか。科学の営みを社会の中にどう位置づければよいか。科学と社会の関係を根本から見直すそうした問いが、研究の倫理を考えるうえで、大事な基礎になるのではないでしょうか。
そこで今回は、多能性幹細胞を用いた発生工学の研究をされている田川陽一氏をお招きし、研究現場では一連の騒動をどう見ていたか、そこから何を考えたかをお聞きし、STAP問題はどんな教訓を残したのか、今後の課題は何か、参加者のみなさんとじっくり話し合ってみたいと思います。どうぞふるってご参加ください。
⇒ スピーカー紹介
: 田川陽一氏(東京工業大学生命理工学研究科准教授、発生工学)
1989年、東京大学工学部工業化学科卒業。91年に東京大学大学院工学系研究科工業化学専攻修士課程修了後、同大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程(単位取得退学)、東京大学医科学研究所実験動物研究施設を経て、97年にベルギー・ルーベン大学レガ研究所に博士研究員として赴任。その後、信州大学医学部、同大学ヒト環境科学研究支援センター、同大学大学院医学研究科での助教授を経て、05年4月より現職。専門は、発生工学・再生医学・分子生物学。主に、ES細胞からの器官(組織)形成。
⇒ 聞き手紹介
: ぬで島次郎(東京財団研究員)
⇒ お問い合わせ 生命倫理サロン(東京財団内)
seimei-rinri@tkfd.or.jp
担当:冨田、井野