第1回意見交換会概要
○日 時:2010年5月27日(木)
○場 所:東京財団A会議室
○出席者:鉄道事業者、保育サービス提供事業者、商業関係者、マスコミ関係者、自治体政策担当者、関係省庁政策担当者 等
(東京財団)
井上 健二 (東京財団政策研究部研究員兼政策プロデューサー)
亀井 善太郎(東京財団政策研究部研究員兼政策プロデューサー)
大沼 瑞穂 (東京財団政策研究部上席研究員) 他
議事次第
1.開会
○本意見交換会の趣旨説明
2.関係者からの報告
(1)コミュニティ・ステーションの取組について
(2)まちづくりと鉄道駅とのリンケージのあり方について
(3) 地域行政とコミュニティ・駅・街・商いのリンケージ
(4)沿線住民のニーズを踏まえたこれからの鉄道駅の方向性について
(5)コミュニティ・サービスの提供と鉄道駅のあり方
(6)商いとのリンケージについて
3.報告を踏まえた質疑、意見交換
4.閉会
【意見交換要旨】
●駅前広場は機能性を追求するだけではなく、コミュニティの人達がより親しめる空間にできるとよい。
・まちのリビングのような場
・親子が安心して集う場
・高齢者が語り合う場
・週末マルシェが開かれる場etc
●「引き算」の発想が大事。駅での乗り換え利便性は大事だが、それを追求するあまり、駅や駅周辺の界隈性や周遊性の楽しみといった駅の魅力を失ってきた一面もある。機能性と楽しさのバランスが大事。
●駅はまちのランドマーク。地域の高齢者や子育て世代が集える地域が運営するコミュニティカフェなどがあるとよい。また、駅長の個性、車掌の個性が生かせる取組(例:土日にフォークソングが流れる列車)
●関西では近隣で生産された農産物を直売するマルシェを駅で開催するといった話がビジネスベースで進められている。
●駅での保育サービス充実のニーズは高いが、国の認可基準の制約が多く、その制約のために事業が成り立たちにくい。保育年齢が0-1歳児と2-5歳児とでは、保育所に必要な機能とことなる。特定年齢限定の保育サービスとそれに必要な基準を定めるなど、実態にあった規制緩和が図られれば、駅や駅周辺での保育サービスビジネスの一層の展開が期待できるはず。(例:園庭設置問題)
●駅のホームドア整備のニーズは高いが、扉位置の違い等技術的に困難な路線が多く、さらに1つのホームを整備するのでも数億円規模の経費がかかるほか、停止精度を上げるための装置の設置に車両の改造も必要など膨大な事業費がかかる。利用者の減少が進んでおり、鉄道事業者も財務的に厳しい状況にある中で、簡単には整備ができない状況。
●モノレールの駅の空間や橋脚の広告スペースとしての活用などを図ろうとすると、道路の2次専用として、いちいち煩雑な届出が必要になる。改善が図られることを期待。
●大企業では企業内保育の取組が進められているが、企業毎にそうした取組をするのではなく、駅や駅周辺の開発者、商業者、地権者や住民等で構成するエリアマネジメント協議会で、エリア保育サービスを提供するといった取組を進めることができるとよい。
●ベビーカーの駅での預かり・貸し出し機能を求める子育てファミリーは多い。
さらに、電動車イスの貸し出しなどを行うショップモビリティ・サービス機能もあわせもったサービスの提供が駅でなされるといいのでは?ただし、鉄道事業者はスペースの提供、サービスはエリアマネジメントor商店街といった適切な役割分担の検討は必要か。
●駅への地域人材の活用を進めてはどうか。駅を利用する子どもたちに声をかけ、見守る名誉駅長への地域高齢者の登用(ボランタリー)など、地域コミュニティと駅との連携強化が図れるとよい。
(文責:井上)