東京財団政策研究所 政策データラボ「リアルタイムデータ等研究会」では、最新の政策データに関連する有識者の考察を、シリーズ「政策データフラッシュ」として定期的に発信しています。
東京財団政策研究所政策データラボの「リアルタイムデータ等研究会」のメンバーである、大塚芳宏・東北学院大学准教授の推計によれば、2018年12月の景気後退確率は34%であった。
この景気後退確率は、景気動向指数の一致指数の採用系列(9系列)のうち、5系列(鉱工業生産指数、鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、所定外労働時間指数、投資財出荷指数)を用いて算出している。ダイナミックファクターモデルという統計的手法により共通因子(これを景気と考える)を取り出している。この後退確率が50%(0.5)を超えると、景気が後退局面に入ると判断されるが、2000年以降の3度の景気後退局面を十分推定している(詳しくは、「景気後退確率を推計する~小規模データによる景気指標の構築(上)〈政策データウォッチ(3)〉」参照)。
この景気後退確率は毎回、過去にさかのぼって再推定を行っている。今回は2000年1月から2018年12月までのデータを用いたが、準景気後退局面とも呼ばれた2014年の消費税率引き下げ以降で50%を超える期間があった。一方、2018年12月までの直近のデータを見る限り、景気はまだ後退局面に入っていないと判断できる。
「リアルタイムデータ等研究会」では、今後も景気後退確率を算出・公表する予定である。
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