世界が注目する2020年11月のアメリカ大統領選挙。予断を許さない選挙戦の行方について、データからは何を読み取ることができるでしょうか。ここでは候補者支持率などをはじめ、大統領選を読み解く上で鍵となるデータをわかりやすくまとめ、定期的にアップデートしていきます。 |
各社の世論調査を踏まえ、州ごとの両候補の優勢・劣勢を7段階(Safe/Likely/Leanの3段階のリードとToss Up)で表示する政治情報サイト、「270toWin」では、5月30日(最終更新24日)現在、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、フロリダ、アリゾナの6州とネブラスカ州第2選挙区[1]がToss Upと表示されている[2]。
接戦の6州のうち、今回はペンシルベニア[3]、ミシガン[4]、ウィスコンシン[5]の北部3州に焦点を当てる。これらの州は2012年に民主党のオバマ大統領(当時)が獲得したものの4年後の2016年にトランプ候補が僅差で獲得した州である。ウィスコンシンは1988年以来、ペンシルベニアとミシガンでは1992年以来民主党候補が勝利し続けており、2016年選挙の結果は大方の予想を覆すものであった。政治情報サイト「Real Clear Politics」によれば、5月30日現在、2020年大統領選におけるトランプ・バイデン両候補の支持率は上記のようになっている。
差はさほど大きくないが、いずれの州でもバイデン候補がリードしており、トランプ大統領がこの3州をすべて失えば残る接戦州であるノースカロライナ、フロリダ、アリゾナのすべてで勝利しても獲得選挙人は260人にとどまり[6]、再選は困難になる。しかし、2016年選挙においてもこの3州でのトランプ候補の支持率はクリントン候補を一貫して下回っており、ミシガン州では投票が近づいた10月後半の時点でその差は12%に達していた[7]。前回選挙で示されたトランプ大統領の「数字以上の強さ」は今秋も発揮されるのであろうか。
[1] アメリカの州ごとの大統領選挙人数は州選出の上院議員(各州2人、総数100人)と下院議員の(人口比例、総数435人)の数の和であるが、これにDCの3人の選挙人を足して合計538人、270人の選挙人を獲得すれば当選となる。勝者総取り方式をとる他の48州と異なり、メーン州およびネブラスカ州では州全体の勝者に2人、各下院選挙区の勝者に1人ずつの選挙人が割り当てられる。
[3] https://www.realclearpolitics.com/epolls/2020/president/pa/pennsylvania_trump_vs_biden-6861.html
[4] https://www.realclearpolitics.com/epolls/2020/president/mi/michigan_trump_vs_biden-6761.html
[5] https://www.realclearpolitics.com/epolls/2020/president/wi/wisconsin_trump_vs_biden-6849.html
[6] https://www.270towin.com/maps/jbXJA
[7] https://www.realclearpolitics.com/epolls/2016/president/mi/michigan_trump_vs_clinton-5533.html