群馬県、埼玉県、北海道が水源地売買の事前届出制を導入
~ 国の法整備も急務 ~
2012年6月15日、群馬県議会にて「水源地域保全条例」が成立しました。この条例は北海道(3月)、埼玉県(3月)についで3例目です。現在、山形県、静岡県、山梨県、長野県、福井県、岐阜県、奈良県、宮崎県、鹿児島県などでも条例の検討や対策協議会の設置が進んでいます。
国レベルでは、昨年成立した改正森林法がこの4月から全面施行され、すべての森林の所有権移転について市町村に対する事後届出の提出が義務付けられました。しかし、これはあくまで事後の情報把握でしかなく、資源保全や安全保障上、重要な土地の売買を国が事前に把握する仕組みは未だありません。都道府県が事前届出の義務化を進める背景には、こうした現行法制度の不備もあると考えられます。
東京財団は2008年以来、近年の森林売買の環境変化を端緒に、日本の土地制度の課題について問題提起を行っています。各地での条例成立を新しい仕組みづくりへの第一歩と認識するととともに、抜本的な国の法制度の改革を目指して、引き続き研究と発信を続けていきます。
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