【趣旨】
リベラリズムとは何か。未だこの用語の意味をめぐる共通認識が確立しているとは言い難い。そのような多義的なリベラリズムの歴史を、時代と地域ごとに辿ろうとするのがヘレナ・ローゼンブラット『リベラリズム――失われた歴史と現在』である。本書は古代ローマから現代に至るリベラリズムの展開を、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカを主たる舞台として描き出している。
この度ポピュリズム国際歴史比較研究会は、本書の訳者4名を迎えてローゼンブラットのリベラリズム理解を多角的に考察する活動を行った。イギリス、フランス、ドイツ地域の政治思想史、アメリカ外交史を専門とする訳者陣がより鮮明にローゼンブラットの議論を特徴づける。
※本レポートは2020年11月6日に開催した「ヘレナ・ローゼンブラット『リベラリズム――失われた歴史と現在』合評会」(ポピュリズム国際歴史比較研究会主催)の議論をもとに東京財団政策研究所が構成・編集したものです。
【目次】
■第1回 「内容紹介」川上洋平
■第2回 「失われたリベラリズム、あるいはコーヒーを買ってきてくれるリベラリズム」古田拓也
■第3回 「リベラリズムの伝統と継承」川上洋平
■第4回 「ローゼンブラットのリベラリズム観と20世紀リベラリズムの諸問題」長野晃
■第5回 「アメリカにおけるリベラリズムの行方:米国のイデオロギー・シフト」三牧聖子
【報告者・出席者】(順不同、肩書は当時)
三牧聖子(高崎経済大学経済学部准教授)
川上洋平(専修大学法学部准教授)
古田拓也(広島大学特任助教)
長野 晃(慶應義塾大学法学部非常勤講師)
細谷雄一(東京財団政策研究所上席研究員/慶應義塾大学教授)
竹中治堅(政策研究大学院大学教授)
五百旗頭薫(東京大学法学部教授)
宮下雄一郎(法政大学教授)
板橋拓己(成蹊大学教授)
高橋義彦(北海学園大学准教授)
藤山一樹(日本学術振興会特別研究員)