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インタビューシリーズ「介護現場の声を聴く!」 主な出演者の声〔ケアプランの自己作成など〕

May 31, 2012

ケアプランの充実に向けて/ケアプランの自己作成

  • 「ケアマネージャーにはケアプランを自己作成できない人が依頼する。自己作成は大それたことじゃない」と考えていた。自己作成することをきっかけにして、母の人生を棚卸しできたので、暮らしの中での意義のあることだった。(第48回)
  • ケアプランの自己作成に対し、自治体からは「そんなの素人じゃ無理ですよ」「介護保険は難しくて素人には分からない」といった反応が帰って来た。(第48回)
  • スタートしばかりの介護保険は利用者主体の制度と言われていた。自己選択
  • 自己決定と言うならばオバサンにも分かる制度にして欲しいと感じたが、自己作成に際して何のマニュアルもなければ、行政から手助けもなかった。(第48回)
  • 自己作成の道が無い。介護サービスを使う訳だから、行政は介護報酬の計算票だけを出すだけ。素人が建てたいい加減なプランじゃ困る。自己作成を試みている人のネットワーク化を考えた。(第48回)
  • 制度導入当時、「ケアマネージャーの資質向上が全て」という有識者の意見も出ていた。そこで、「市民の能力
  • 資質が上がって行く必要がある」と新聞に投稿すると、それを読んだ何人から「自分も作っている」といった形で反応があり、メーリングリストを立ち上げた。(第48回)
  • 「熱い人達だからメーリングリストで熱い会話がなされる」と期待したが、1~2カ月経っても一言も出ない。しかし、繋がりを作るために計画したオフ会は盛況となり、市民団体を作ることになった。自己作成する人は自治体に一人ぐらい。ネットワークがあるので力強かった。(第48回)
  • ネットワークの参加者は150人程度。自己作成を経験した人、今も作成している人が50人程度在籍している。(第48回)
  • 自己作成の道を拡大する方策を色々と考えた結果、『マイケアプランのためのあたまの整理箱』『マイライフプランの玉手箱』というマニュアルを作った。(第48回)
  • 自己作成を始めた頃の反応として、「客観性が無い」「わがまま放題にやるんじゃないか」「家族が深く関わっているので、本人の意思がないがしろになっている」「家族のいいように作るんじゃないか」といった疑問を専門家から色々と投げ掛けられた。(第48回)
  • ケアマネージャーがどうやってケアプランを作っているのか聞いた所、私達が頭の中で思考回路を整理して行く過程と同じ。私達は間違った考え方をしていなかった。しかし、頭の中だけだったので、それを書き落とすための手段として『整理箱』の作成に至った。(第48回)
  • 「誰でもケアプランの根拠を分かるようにする必要がある」と思って『整理箱』を作った。自分を振り返ってみようとか、本人がどんな人生を暮らしてきたか、どんな生活を送っているかチェックするのが『整理箱』のベース。(第48回)
  • 「倒れて介護が必要になって、そんな悠長なことを考えられない」という声が多くあり、介護が必要になる前から準備しとけばいいんじゃないということで『玉手箱』を作った。(第48回)
  • 過去のことはパッと書ける所と、書けない所がある。人生の節目があるので、『玉手箱』を通じて若い時から立ち止まってもいいんじゃないか。(第48回)
  • ケアマネージャーはプロとして知らない初対面の人のケアプランを立てるが、知らない人のケアプランを作る自信がない。自己作成で一番多いパターンは実の親。(第48回)
  • 自分の身内のケアプランと他人のケアプランを比べると、中身が変わって来る。自分の身内だと腹が立ったりする。感情が入ってしまう。(第48回)
  • 自己作成とケアマネージャーに委託する内容を比較すると、姿勢が同じならば結局は同じ。丸投げしていたら同じにならない。ケアマネージャーに丸投げしたらブツッと切れる。(第48回)
  • 自分達で一生懸命考えたのは意義があった。介護保険上の自己作成にこだわっている訳じゃない。(第48回)
  • 自己作成して制度が物凄く良く分かる。自己作成の場合、ケアマネージャーを介した時よりもサービス量が少なくなる。自分の支出が減る分、自分が動くことになる。(第48回)
  • ケアマネージャーは事前に研修を受けて介護保険サービスから入ってしまうが、これは窮屈。「これをやっちゃダメだよ」と言われるし、ヘルパーが来る時間は日程を開けとく必要がある。(第48回)
  • 介護保険のサービスは一つの手段だけど、近所の人を使ってもいいし、もっと気楽に頼める助け合い団体があるかもしれない。きっかけは介護保険だが、使えるサービスは保険法だけではない。(第48回)
  • 市民、利用者に賢くなって貰いたい。マイケアプランの趣旨は介護保険の原点に返る意味合いがある。(第48回)
  • 介護保険の条文は利用者に向けた言葉はない。国民に向けての言葉は国民の義務だけ。残りは事業者に向けられており、法律用語は「受けられる」ではなく「提供する」という書き方。利用者は蚊帳の外に置かれている。(第48回)
  • 自己作成をやりたいのにケアマネじゃなきゃいけないのは制度の趣旨に沿っていない。ケアマネージャーか、自己作成の段階から選択できるのに、自己作成の選択肢はほとんど示されていない。(第48回)
  • 自己作成は自治体が嫌がる。ケアマネージャーは給付管理をやるが、自己作成の場合には国民健康保険団体連合会への請求業務も自治体の仕事になる。ケアプランの中身が)いいんだか、悪いんだか、自治体職員にケアプランを見る目が無い。(第48回)
  • みんながみんな自己作成は無理。みんながケアプランをやれる訳じゃない。やりたい人がやればいい。(第48回)
  • 会員にケアマネージャーが多く入っているが、「原点に帰る」という反応。ケアマネージャーに払われる介護報酬の額が浮くし、分厚い本を読むよりも1回だけサービスを使って書類を書いただけで計算すると、介護保険の仕組みが分かる。満足度は高い。やって損した人は一人もいない。(第48回)
  • 東京都府中市は「要支援は自己作成が良い」と理解を示している。ケアマネージャーと一緒にケアプランの在り方を考える人も増えている。(第48回)
  • 団塊世代などケアマネージャーに全部お任せじゃない人が自然に増えて来る。自己作成の希望者が迷わずにキチンとできるようにしたい。自分で自分をマネジメントする人が増えるのは良いこと。(第48回)

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