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インタビューシリーズ「介護現場の声を聴く!」 主な出演者の声〔医療・介護の連携に向けて〕

May 31, 2012

医療・介護の連携に向けて

  • 認知症のケアは介護だが、医療が必要な人は訪問看護になる。(第28回)
  • 看護師、介護福祉士の資格を両方持っていても、どちらかの事業所に所属し、どちらかの仕事しかできない。医療のニーズもある利用者には訪問看護事業所と連携を取りながらケアを行っている。(第28回)
  • 予防の観点では早目に訪問看護を利用しながら訪問介護も利用する方が良い。(第28回)
  • 訪問看護は介護保険でも使えるが、1回当たりの点数が高く、利用する人が少ない。ギリギリで病状が悪くなり、訪問看護や24時間訪問介護を使うよりも、早い段階で予防的に使った方が良い。(第28回)
  • 介護と看護を融合させたサービスを展開しており、医療機関が訪問診療で対応し、こちらの判断できない場合には提携先に連絡を取って判断を仰いだり、必要であれば来たりして貰う体制を整えている。(第28回)
  • 「医者の言っている意味が分からない」「認知症の人にどう接したらいいか?」「がん治療や緩和ケアは何処に聞けば良いか?」「薬の飲み合わせは大丈夫か?」といった質問を気軽に相談できる場所として「暮らしの相談室」を開設した。(第46回)
  • 保健室を開設したのは戸山ハイツという団地の一角。商店街1階の空き店舗を改装した。入り口を開放的にして中は木目調。敷地面積は約70平方メートル。気軽にお茶を飲める雰囲気。みんなでお茶を飲みながら話す。話すだけで落ち着いて帰る人もいる。(第46回)
  • トイレの内装も工夫し、ゆったりとした構造。木の香りが広がるヒノキの壁と天井で造られている。人工肛門の人達に対応するため、シャワー設備も備えた。(第46回)
  • 相談は無料で、予約も必要ない。平日の午前9時~午後5時に相談を受け付けており、来訪者の多い午後は保健師、看護師の資格を持った人が常駐。金曜日には薬剤師、栄養士も詰める。
  • それ以外の時間帯もボランティアが詰めており、スタッフは家族を介護したり、看取ったりした経験のある家族。介護中の気持ちとか、お年寄りの対応をマイルドにしてくれる。(第46回)
  • 運営に関わるNPO法人は高齢者や家族から話を聞いて文章化する「聞き書き」もボランティアで実施しており、この経験者も保健室に詰めている。高齢者から話を聞くだけでなく、書き込んで小さな冊子を作る聞き書きのボランティアの養成講座を経ており、良く話を聞き出してくれる。(第46回)
  • ボランティアがお茶を出して色々と話すだけで良い時もあるし、その中から「看護師に相談して帰ったら?」ということになる。
  • 現在、新しい相談は1カ月当たり40件程度。サロン的な要素があるため、1回目の相談が終わった後、リピーターも多く訪れる。相談者のうち、来訪者が8割近くを占める。来所を多く取り入れて敷居が低くなり、住民が来やすい。(第46回)
  • 今年度は厚生労働省の「在宅医療連携拠点事業」の指定を受けており、来年度以降は地元の新宿区や東京都の支援も想定している。(第46回)
  • 戸山ハイツは戦後直後に建てられ、昭和40年代に建て替えられて高層化した。現在は約6000人が住んでおり、立地する戸山2丁目の高齢化率は46.3%に及ぶ。(第46回)
  • 戸山ハイツで空き店舗を安く貸してくれる奇特な人が現れた。理想はあったが、とにかくここでやってみようと思って始めた。都会の団地で独居率も高い。保健室を開けることで様々なことが相談の中身から見えて来ると考えた。(第46回)
  • 保健室のターゲットは生き死に関わる部分だけでなく、食べにくいなど健康に関する所で暮らし全般。大人が行ける保健室をイメージして命名した。(第46回)
  • がん患者と家族の相談を受けるため、4~5年前にイギリスのスコットランド始まった「マギーズ・キャンサー・ケアリングセンター」にヒントを得た。施設は病院内ではなく外に設置され、面積は280平方メートル。一軒家と同じぐらいで、家庭的な雰囲気でゆっくりと物を考えられる。(第46回)

  • 日本は相談支援に金を掛けなかったので、椅子と机があれば良いという考え方。今の日本でもすぐに必要な環境と思った。いつかそういう場所、できれば病院の横にあればいいと思った。(第46回)
  • 一般住民が気軽に相談できる場は必要。今年度のやったことから見えて来ることを様々な形で発表したいし、こういうことを各地でやって頂きたい。(第46回)
  • 暮らしの保健室を見に来て、岐阜県高山市で訪問看護ステーションが事務所の隣を相談スペースに当てた。何とか工夫してやりたいという希望があった。(第46回)
  • 予算制約という経済的な側面と、人材育成。現在はスタッフに恵まれているが、そういう良い人材をどうやって育てて、どうやってスキルを上げて行くかが課題、ある程度は固定化しないと次に繋がっていかない。(第46回)
  • 一人暮らしを続けている戸山ハイツの住民は生き甲斐を持っているし、何とか自分で暮らし続けて行きたいと思っている。複数の病院に通っており、何となく不安を感じているけど、自分なりに情報集める先があれば、自立する力が付いて来て、適切に病院に行けるようになる。(第46回)
  • 医療機関は急性期に特化して行くので、喫緊の課題として在宅介護とスムーズに連携しなければならない。あなたが行くべき窓口はこっちと少しガイドする。そのための情報を一緒に探す必要がある。(第46回)
  • がん患者が私達に繋がる時点で重度になっている。「もっと前に相談を受けられれば…」と考えるようになった。がん治療の様子が病院中心から在宅
  • 外来中心にソフトするとともに、治療も長期化して患者・家族の負担が重くなる傾向が見られた。(第46回)
  • 様々な情報があるが、患者・家族と病院が必要な情報を相談しながら納得して決めていく余裕が無い。病院は殆ど3~5分の診療。もう少し前にゆっくり相談・支援を受けられる場所があったらいいなと思っていた。(第46回)
  • 今の医療は患者がちょっとしたことを相談したくても聞けない。(第46回)
  • 新宿区牛込地区には東京女子医大や厚生年金病院なども立地している。大規模な病院があるが故に、そこから患者が真っ直ぐ降りて来るので、在宅レベルで横の繋がりが無い。病院は繋がりができにくく、一カ所完結型。横を連携して行くことが必要。(第46回)
  • 87歳の高齢者がノドにつかえる感覚があり、消化器の先生が対応した。しかし、胃カメラがスムーズにノドを通ったため、耳鼻科に行くと「自分の守備範囲ではない」と言われた。その後、半年ぐらい経って食道がんと判明した。(第46回)
  • さらに、放射線治療を受けることになったが、耳が不自由な高齢者は医師の説明を理解できなかったため、良く聞こえない中で医師の薦めが全て「承諾」となり、台の上に上がって手術用の黒い筋まで書かれた。(第46回)
  • 手術を避けたい高齢者が帰ろうとすると、「すぐに喉が詰まって点滴が必要になる」と言われ、在宅医療のクリニックを紹介されたが、高齢者にとっては聞いたことも無いクリニック。困った高齢者が「暮らしの保健室」に相談に来た。(第46回)
  • 相談では「ノドは渇くか?」と聞いたところ、「良く乾く。水はむせるので呑めない」という。点滴と同じ成分のゼリーを薦めるとツルツル入り、苦も無く飲めて日々の生活には影響が少なく済んだ。(第46回)
  • 少しずつ液状の物質は通るので栄養補給できている状態。自分としては自然に対応したいのに言えなかった。半年間ノドが詰まると言ったのに、病院は診断が付くまで何のアドバイスも無い。暮らしの部分と生命に関わることと一緒に考えて相談に乗る所が無い。(第46回)
  • 橋渡しで何が一番困るのか、どういう風に医療に掛かれば良いのか、適切な水先案内が要る。連携拠点の役割を果たしつつ、「暮らしの保健室」の敷居が低いので機能している。(第46回)
  • 東日本大震災の後、高層ビルの上の方に住んでいる高齢者が余震で「地震酔い」のような状態となり、体の具合が悪いのか、地震の揺れなのか自信がなくなり、食事が摂取できなくなり、体重が減って本当に具合が悪くなった高齢者も見られた。(第46回)
  • 暮らしの保健室を訪れるまでは救急車を呼んで病院に行っていたが、「呑んでいる薬のせいではないか」「こういう病院の掛かり方がありますよ」「病院に行った時、医師にこう尋ねられたら如何ですか?」と助言すると、ちょっとした眩暈では対処行動を取れるようになった。(第46回)
  • 状態は同じだけど、急に悪くならないことを維持して行き、要介護状態になることを防ぐ。病院に行ってもチグハグな対応をされるなど医療に適切に関われていないので、情報を適切に繋ぎ変えて行くと、上手く行く時がある。(第46回)
  • 事前に暮らしに関する相談を受け付けることで重度化を防いだり、健康状態を維持したり、生き甲斐を持って頂いたりする必要がある。(第46回)
  • 医療機関があるけど、横の繋がりを作れない地域に応用できるということで、人口10万人の東京都新宿区牛込地区で在宅看護連携拠点をやるために手を挙げた。約10万人の範囲で色々なことが考えられる。自分達が実験する意味はある。(第46回)
  • がん対策基本法が2006年に成立した後、各地で患者
  • 家族が専門職に相談したり、当事者同士で話し合ったりする「がんサロン」「メディカルカフェ」が少しずつ進み出している。(第46回)
  • 都市再生機構の団地では高齢者向けの交番として「よろず相談窓口」ができており、機構職員や地域住民のボランティアが高齢者の「買い物しにくくなったからどうしよう」といった相談に応じるケースも増えている。(第46回)
  • 看護師ら経験豊かな蓄積した人がリタイアしており、勿体無い。各地でやって頂けたら、介護予防に繋がる。病院の掛かり方も変わる。(第46回)

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