科学技術イノベーション政策を担う「つなぐ人材」の能力とその育成
現代の科学技術政策では、個別研究開発を対象とするのではなく、様々な分野における望ましい社会変革実現との緊密な連携が求められている。そのような連携のためには、科学技術政策と個別の社会課題解決実施を目指す各セクター別政策との調整メカニズム、科学技術政策と安全保障政策間の政策連携、民間セクター（企業、研究機関）によるELSI（倫理的法的社会的課題）への自律的対応が必要になる。そして、このような調整・連携・自律的対応を可能にするためには、単に制度的なメカニズムが存在するだけでは十分ではなく、それらの仕組みを担う人材の確保と能力育成が重要になる。具体的には、「つなぐ人材」、すなわち、科学技術政策とセクター別政策、科学技術政策と安全保障政策、研究開発とELSI対応を「つなぐ人材」が必要になる。本研究プログラムでは、政府（内閣府等）、地方自治体、企業、研究機関といった様々な組織で求められている「つなぐ人材」に求められる具体的能力要件を定義するとともに、そのような能力を確保するために必要な具体的な能力育成プログラムの要素（研修、人事交流・キャリアパス、外部連携の仕組み等）について国内外の人材育成・活用に関する事例研究を通して明らかにし、政策提言を行う。
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