【動画公開】国際ワークショップ 「トランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策の運用と今後の課題-日本と海外の経験から」 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所

東京財団政策研究所

詳細検索

東京財団政策研究所

【動画公開】国際ワークショップ「トランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策の運用と今後の課題-日本と海外の経験から」
画像提供:Getty Images

【動画公開】国際ワークショップ 「トランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策の運用と今後の課題-日本と海外の経験から」

October 26, 2023

R-2023-063

◆開催要旨

■テーマ:「トランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策の運用と今後の課題
-日本と海外の経験から」
■日 時:2023920日(水) 16001830
■会 場:東京財団政策研究所/Zoomウェビナーによる同時配信
(Dr. David Winickoff、Dr. Wolfgang Polt、小山田和仁氏、岸本充生研究主幹はオンライン参加

社会課題解決を実現するうえでは、従来のセクターごとに閉じられた技術推進から脱却して、社会全体の構造変革も伴う科学技術イノベーション政策(STI Policy)に転換する必要があります。こうしたトランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策(Transformative STI Policy)を検討するにあたり、これまでの日本と欧州あるいはOECDにおける試みと課題を振り返るとともに、重要なツールであるテクノロジーガバナンスやミッション志向型イノベーション政策(MOIP)の実践と課題について検討し、日本の政策関係者らの参画を得て今後の方向性について議論を行いました。

まず比較検討の結果、以下の点が明らかになりました。第1に、日本とEUにおいては、制度的な建付けや規模は異なるものの、特に2010年代以降、個別の技術ではなく、社会的課題の解決に重点をおいた科学技術イノベーション政策が展開されてきたという点において、大きな方向性に関して共通性を有する。第2に、様々な主体が連携して社会的課題に取り組むトランスフォーマティブな科学技術イノベーション政策を運営していく上で、社会課題を適切にブレークダウンしてミッションとして管理していくミッション志向型イノベーション政策と、技術のベースに様々な価値・規範との関係を断片的ではなく包括に明らかにしていくテクノロジーガバナンスのアプローチは、相互に補完的である。第3に、社会課題に取り組むいわゆるミッション志向型政策とよばれるプログラムの中にも、純粋な社会課題に焦点を当てるもの、一定の技術に焦点を当てるもの等、様々な類型がある。そして、その類型に応じて、そのようなアプローチが適切なのか、どのようにアプローチを組み合わせたらよいのかが異なる。このような比較検討を通して、日本と欧州の様々な類型の具体的経験に関して、経験交流を行い、相互学習を進めていくことの意義について確認しました。

また、日本における社会課題に取り組むトランスフォーマティブなイノベーション政策については、以下の点が今後の課題として浮上しました。第1に、日本においては、いわゆるミッション志向型政策のプログラムとして、内閣府に設置されている戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)やムーンショット型研究開発制度等様々なプログラムが設置されているため、ミッション志向型政策プログラム間の調整やこれらのプログラムと各省等のプログラム等の調整が求められる。第2に、日本におけるテクノロジーガバナンスにおいては、問題が顕在化する前に予見的に取り組むこと、規範・価値を重視すること、研究開発省庁だけではなく幅広い省庁が参画すること、産業界・市民との連携も深めること、国際的規範形成とも連携することが重要である。第3に、社会課題やミッションを適切に設定するという観点から、課題設定とそれを支えるインテリジェンス機能を強化すること、ミッションの達成度を測定する評価手法の検討を深めること、マネジメントや連携を担う人材を育成すること、が必要である。今後、研究プログラムの成果を取りまとめるにあたっては、このような視点も踏まえていきたいと思います。

◆登壇者

<東京財団政策研究所 研究プログラム「科学技術政策システムの再構築」メンバー>
城山 英明 東京財団政策研究所研究主幹/東京大学大学院法学政治学研究科教授
松尾 真紀子 東京財団政策研究所主席研究員/東京大学公共政策大学院特任准教授
岸本 充生 東京財団政策研究所研究主幹/大阪大学データビリティフロンティア機構 教授
黒河 昭雄 東京財団政策研究所主任研究員/神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科 講師 兼 イノベーション政策研究センター 講師
吉岡(小林) 徹 東京財団政策研究所主任研究員/一橋大学イノベーション研究センター講師

 <ゲストスピーカー>
・Dr. David Winickoff, Senior Policy Analyst, Secretary, Working Party on Bio-, Nano-, and Converging Technology (BNCT), OECD
・Dr. Wolfgang Polt, Director of Policies, Institute for Economic, Social and Innovation Research, Joanneum Research
・倉田 佳奈江 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発戦略課長
・小山田 和仁 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 研究開発戦略センター(CRDS) フェロー

◆動画


※本動画の翻訳音声については、当日の通訳音声を使用しております。

松尾真紀子 東京財団政策研究所主席研究員 

城山英明 東京財団政策研究所研究主幹


Dr. David Winickoff 


 Dr. Wolfgang Polt


倉田 佳奈江 氏 

小山田 和仁 氏


◆発表資料
城山 英明 研究主幹
Dr. David Winickoff
Dr. Wolfgang Polt
倉田 佳奈江 氏
小山田 和仁 氏

◆研究プログラムのご紹介
「科学技術政策システムの再構築」 

注目コンテンツ

BY THIS AUTHOR

この研究員のコンテンツ

0%

PROGRAM-RELATED CONTENT

この研究員が所属するプログラムのコンテンツ

VIEW MORE

DOMAIN-RELATED CONTENT

同じ研究領域のコンテンツ

VIEW MORE

INQUIRIES

お問合せ

取材のお申込みやお問合せは
こちらのフォームより送信してください。

お問合せフォーム