東京財団政策研究所
研究主幹 森信茂樹
2019年10月1日から消費税率は10%に引上げられた。社会保障・税一体改革というスローガンの下で議論され、12年8月10日に社会保障・税一体改革法案が成立、この間7年以上の年月が経過した。今や消費税は、税収全額が社会保障経費に充てられる目的税としてわが国の基幹税として位置付けられている。
社会保障・税一体改革、消費税率の引き上げについては、二度の政権交代をはさんで続けられたものであり、政権交代の下でも消費増税がどのように継続的に議論され実現されていったのか、政策過程における重要資料(骨太の方針、政府・党税制調査会資料などの公表資料)を時系列的に整理することは、今後の消費税議論、さらには社会保障議論など様々な分野で参考になるものと考えられる。同時に、議院内閣制の下での政府・与党・国会の意思決定における役割の解明は、政治学・行政学分野からの有益性も認められるものと期待される。
東京財団政策研究所「アーカイブ 税・ 社会保障一体改革 ― 消費増税を巡る経緯と重要資料 ―」プログラムでは、「消費税アーカイブ」と題し、小泉政権から安倍政権まで、消費税に関わるこれまでの議論の経緯を、重要資料を紐解き考察していく。2020年10月から、2年程度毎月順次公開する予定。
なお筆者は、大蔵省・財務省で税制関連部局に長年勤務し、消費税担当課長(主税局税制第二課長)も経験したことから、その経験や知見を踏まえて執筆をした。また全編を通じ、日本経済新聞の清水真人氏の著作を参考にさせていただいた。
【アーカイブ】
■第1回(2020年10月1日公開)
・第一次小泉政権(前編) 小泉政権概要、平成13年(2001年)4月26日~12月31日
・第一次小泉政権(中編) 平成14年(2001年)1月1日~12月31日
・第一次小泉政権(後編) 平成15年(2003年)1月1日~11月19日
■第2回(2020年11月2日公開)
・第二次小泉政権(前編) 平成15年(2003年)11月19日~12月31日
・第二次小泉政権(中編) 平成16年(2004年)1月1日~9月26日
・第二次小泉政権(後編) 平成16年(2004年)9月27日~平成17年(2005年)9月21日
■第3回(2020年12月1日公開)
・第三次小泉政権(前編) 概論、平成17年(2005年)9月21日~12月25日
・第三次小泉政権(中編) 平成17年(2005年)12月26日~平成18年(2006年)7月6日
・第三次小泉政権(後編) 平成18年(2006年)7月7日~9月26日
■第4回(2021年1月6日公開)
・第一次安倍政権(前編) 概論、平成18年(2006年)9月26日~12月6日
・第一次安倍政権(後編) 平成18年(2006年)12月7日~平成19年(2007年)9月26日
■第5回(2021年2月1日公開)
・福田政権(前編) 概論、平成19年(2007年)9月26日~平成20年(2008年)1月3日
・福田政権(後編) 平成20年(2008年)1月4日~9月24日
■第6回(2021年3月1日公開)
・麻生政権(前編) 概論、平成20年(2008年)9月24日~12月24日
■第7回(2021年4月1日公開)
・麻生政権(後編) 平成20年(2008年)12月24日~平成21年(2009年)9月16日
■第8回(2021年5月6日公開)
・鳩山政権 平成21年(2009年)9月16日~平成22年(2010年)6月8日
■第9回(2021年6月1日公開)
・菅政権(前編) 概論、平成22年(2010年)6月8日~平成23年(2011年)1月14日
■第10回(2021年7月1日公開)
・菅政権(後編) 平成23年(2011年)1月14日~9月2日
■第11回(2021年8月2日公開)
・野田政権(前編) 平成23年(2011年)9月2日~平成24年(2012年)3月30日
■第12回(2021年9月1日公開)
・野田政権(後編) 平成24年(2012年)3月30日~12月26日
■第13回(2021年10月1日公開)
・第二次安倍政権(前編) 平成24年(2012年)12月26日~平成26年(2014年)11月26日
■第14回(2021年11月1日公開)
・第二次安倍政権(後編) 平成26年(2014年)11月26日~令和2年(2020年)9月16日
■第15回(2021年12月1日公開)
・低所得者対策・軽減税率導入の経緯(前編)
■第16回(2022年1月5日公開)
・低所得者対策・軽減税率導入の経緯(中編)
■第17回(2022年2月1日公開)
・低所得者対策・軽減税率導入の経緯(後編)
■消費税アーカイブ:データベース
論考「消費税アーカイブ」にて掲載している、背景となる公開資料等の複製をまとめています。