P-2023-003
デジタル経済の下、多国籍企業や知的財産の存在感が増している。情報化・IT化の進化は、格差や競争など、企業や市民にとって身近な問題に構造変化をもたらしている。
東京財団政策研究所では、様々な得意分野を持つ国際課税の専門家が集まり、国内・国外の関係者と意見交換も重ねながら、国際課税改革をわが国の制度に落とし込む上での政策上・執行上の課題や対応策について研究を行ってきた。
ここに、研究に参加したメンバーがチームとして力を込めた提言集をお届けする。
取り上げた項目は、「国際課税抜本改革と日本」「国際課税と企業課税の重要論点」「税務執行の新たな展開」のほか、鼎談「激動する国際課税の展望と日本企業・社会」など、多岐にわたっており、デジタル経済と国際課税を巡る議論の全体像を俯瞰できるようになっている。
国際課税改革の実施を巡っては、今なお激しい議論が続いている。これからの展望を考える上で、読み返していただけるような政策提言集であることを願っている。
目次
- 要旨・提言
- 国際課税抜本改革と日本
- 第1章 グローバルビジネスから見た2つの柱の課税ルールの課題
(千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科客員教授 青山慶二) - 第2章 BEPS多国間条約の進展とデジタルサービス税に関する動向
(早稲田大学法学学術院教授 渡辺徹也) - 第3章 BEPS2.0の光と影
(東京財団政策研究所研究員 岡直樹) - 第4章 国際課税システムにおけるグローバルサウスの存在感の高まり
(筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院ビジネス科学研究群教授 本田光宏) - 国際課税と企業課税の重要論点
- 第5章 多国籍企業について利子部分の課税を諦める
(立教大学法学部教授 浅妻章如) - 第6章 国際課税の環境変化を踏まえた研究開発税制の再検討
(一橋大学大学院法学研究科教授 吉村政穂) - 税務執行の新たな展開
- 第7章 国際的な税務執行協力上の課題 -税務上の情報交換に焦点を当てて-
(慶應義塾大学大学院商学研究科教授 上田衛門) - 第8章 暗号資産をめぐる税務
(筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院ビジネス科学研究群教授 栗原克文) - 鼎談
- 第9章 激動する国際課税の展望と日本企業・社会
(東京財団政策研究所研究主幹 森信茂樹 - 財務省主税局参事官 西方建一
- キヤノン株式会社理事 菖蒲静夫
- ※進行:東京財団政策研究所研究員 岡直樹)
提言全文
具体化する国際課税改革の展望・提言(PDF:7.4MB)
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https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3457