【2022年度終了】加速するエネルギー転換と日本の対応
世界的な平均気温上昇を2℃未満に保つという2016年に発効したパリ協定の目標達成を目指し、先進各国では2030 年の再生可能エネルギー(以下、再エネ)比率をおよそ40~70%にまで引き上げるという目標を掲げるなど、世界はエネルギー転換に向けて政策の舵を切ってきた。
パリ協定の目標達成をめざしてエネルギー転換が進められてきたが、2018 年10 月には気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から、地球温暖化を1.5℃に抑えることが持続可能な世界を確保するために必要であるとした特別報告書が公表され、2021 年10月から11月にかけて開催されたCOP26では、目標が事実上2度未満から1.5度に強化されたことからエネルギー転換をさらに加速しなければならない事態になっている。
こうした状況の中、日本においてもエネルギー転換の動きに対応していく政策方針が示されているが、実態となる政策目標(第五次エネルギー基本計画時)では、2030 年の再生可能エネルギー導入目標22~24%という低い目標に留まっていたなど、政策の方針と目標が乖離している状態となっていた。
そのため、2021年10月に閣議決定された第六次エネルギー基本計画では、2030 年の再生可能エネルギー導入目標がこれまでの22~24%から36~38%へ引き上げられることになったが、再生可能エネルギーの普及策をはじめ、エネルギー転換を進める具体的な施策の構築とその実施はまだ十分とは言えない。エネルギー転換に遅れることは、気候変動問題における日本の国際的なプレゼンスを失うだけでなく、再生可能エネルギーの活用をはじめとするエネルギー技術の革新が進まず、日本の産業競争力の喪失に繋がりかねない。
本研究では、世界で加速しているエネルギー転換にどのように対処すべきか、日本の課題を分析し、施策を提示することを目的とする。
■研究プログラムメンバー(50音順)
橘川武郎(国際大学副学長 国際経営学研究科教授)※プログラムリーダー(共同)
黒崎美穂(気候変動・ESGスペシャリスト/元BloombergNEF日本オフィス代表)
杉本康太(東京財団政策研究所 博士研究員/政策研究ポスト・ドクトラル・フェロー)
瀬川浩司(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 教授)
高村ゆかり(東京大学未来ビジョン研究センター 教授)
田辺新一(早稲田大学創造理工学部建築学科教授)
平沼光(東京財団政策研究所 主席研究員)※プログラムリーダー(共同)
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